ご覧頂きありがとうございます。 　この古伊万里の皿は、細密な技巧と大胆な構成が見事に融合した、非常に魅力的な作品です。まず目を引くのは、緻密に描かれた亀甲文（六角形の幾何学模様）です。この文様は整然とした美しさを持ち、職人の卓越した技術がうかがえます。青と赤の絶妙なコントラストが、器全体に華やかさと品格をもたらしています。 　皿の中央には、染付による精緻な花文が描かれ、周囲を朱赤の繊細な唐草文様が取り囲んでいます。この組み合わせは、古伊万里の美意識を象徴するものであり、格式の高さを感じさせます。また、縁部分には波状に配置された楕円の装飾が施されており、単調になりがちな幾何学模様に動きとリズムを加えています。 　裏面に記された「大明成化年製」の銘は、中国・明時代の成化年間（1465～1487年）の官窯作品を模したもので、日本の伊万里焼が中国陶磁に強く影響を受けながらも独自の発展を遂げたことを示しています。これは、江戸時代の伊万里焼にしばしば見られる特徴であり、当時の日本の陶工が中国陶磁の洗練されたデザインを取り入れつつ、日本独自の美を追求した証といえます。 　この皿の魅力は、その豪華な絵付けと、幾何学模様と植物文様の巧みな組み合わせにあります。古伊万里ならではの華やかさを持ちながらも、品格のあるデザインが施されており、観賞用としても実用的な器としても非常に価値の高い一品です。経年による味わいが加わることで、さらに風格を増し、歴史を感じさせる佇まいとなっています。 ★寸法★ 直径35.3㎝ 高さ8.4㎝ 陶磁器の町、佐賀県伊万里市在住で古物商（第911100009525）を営んでおります「陶磁器ヨーソロー」と申します。 古伊万里、現代作家もの、個人で製作活動しているレアな窯元、有田焼伊万里焼の陶磁器を中心に出品しております。 未使用品に関しては陶磁器商社、骨董に関しては古物競りやコレクター依頼品でございますので、ご安心くださいませ。